Yaitako.blog

日々のメモ

image

映画『オデッセイ』の原作本。

映画は日本最大級のIMAXで見るためにわざわざ成田まで行って結構いい席で見て、「いやー良かった!」という気持ちのままに衝動的にまとめて上下巻買っていました。

映画を見たのが確か上映直後だったから2月頃の話だと思います。ただし上下巻買ったものの、上下もあると思うとなかなか踏み切れないでいました。

そしてほんのちょっとだけ気合を入れて読み始めたのが先週末。3日経たずに読み終えました。

まるでブログを読むような軽快感

作品は「火星に取り残された男」マーク・ワトニーのログエントリーから始まります。

内容としてはほとんどが火星に生き残るための日々の試行錯誤の記録を見ていくことになります。(ちなみに火星では一日のことを"デイ(Day)"ではなく、"ソル(Sol)"と数えるようです)

作品の大部分をこのマーク・ワトニーのログエントリーが占めている。つまり一人称で語られる物語です。マークのその語り口はユーモアに満ちていて非常に前向きです。しかしその裏でどこか客観的で、植物学者かつエンジニアとしての冷静な視点で物事を見つめている。

ログエントリーの形式であるがゆえに非常に読み心地が軽快なのです。もちろんこれはSF小説であり、現実ではないとわかっているのですが、読んでいると「これは今、リアルタイムに進行していることが書かれたブログを読んでいるのではないか?」と思えてきます。そのままページを読み進める感覚は「お気に入りのブログの更新を見届ける」感覚に近い。

最強のPDCA?

そして、この作品の最大の魅力が「生きるための試行錯誤の極めて科学的な描写」だと思います。

火星に取り残されるということは資源が限られるということ。彼は植物学者としての知識を活かし、エンジニアとしての技術で食料を調達します。

その他にも居住空間を確保して、移動手段を整備した後には地球との通信手段も構築。

そこに至るまでの試行錯誤の様子は、日本の学生が就職活動時に嫌なほど聞かされた「PDCAサイクル」そのものなんじゃないかと思います。

就活生は一度、この作品を読むべきだし、映画も見るべきだ!

改めて感じる映画の完成度

原作を読み終えて改めて思ったのですが、映画の完成度も非常に高かったです。

マーク・ワトニー役のマットデイモンは役にはまっていたし、非常にマニアックな科学描写も見事に映像化されていました。「科学の描写が高度すぎてついていけない」と感じさせられる難しさ具合も原作同様に再現されていて、それは作品の良さになっていました。

理解をしやすくするためにも原作を読む前に映画を見るのは十分に効果があると思います。

ちなみに映画では映像化されて嬉しい要素が多くありました。ぜひ注目して見て欲しいです。(アイアンマン!)

敷居の低いSF?

ちなみに正直言って作品中の科学描写は、英語が日本語にされた「翻訳ものである」という影響があることを差し引いても高度だったと思います。

ただし、ログエントリーの形式でマーク・ワトニーの感情を交えつつも客観的に書かれていることで、「こういうことをしようとしているのだな」ということがわかるし、伝えようともしてくれている。

「こういうことをしようとしている」という様がわかることで「科学的なことはよくわからんがうまく行ってくれ、頑張れ」という共感の気持ちも湧いてきて、物語にのめり込んでいく。そしてマークの前向きな姿勢は物語の全体で一貫していて、一切悲壮感がない。

高度な科学描写を飾らずにダイレクトに記述することで逆に、主人公のやりたいことが伝わって来くるのです。

映画も同様で「なんだかよくわからんが、頑張っていたし面白かった」という趣旨の感想ツイートを多く見かけました。(火星DASH村というハッシュタグが盛り上がっていたので調べてみるといいです。)

それだけ、本作はSFの敷居を一気に低くした重要な作品だと思います。

映画を見てから、映像的イメージを膨らませてから原作を読むのがおすすめです。

あと、著者の次回作が楽しみだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック